話すこと、歌うことに呼吸、ホルモンバランスの調整、と休むことなく働いてくれている私たちの喉。
実はしっかりケアできている人はあまりいません。
喉を壊しては、耳鼻科に行く。と言うことばかり繰り返していませんか?
エンターテイメントの本場LAには、世界中からトップクラスの歌手が移住しているため、その才能を支えるボイストレーナー達のレベルもハイクラス。また専門的な情報量も豊富で、ボイトレの勉強会には世界中からトレーナーが集まります。
今日はロサンゼルスのボイストレーナーChicoが日本のみなさんへ効果的な喉のケア方法を7つ紹介したいと思います。
1. 冷えから喉を守る
冬場やエアコンで冷える部屋ではマフラーを巻くなど、喉を温めて血流を良くしましょう。こすり合わせた両手を喉にかざして温めることも効果的です。風邪などで喉に炎症がある時は積極的に温めましょう。
また、歌いすぎたり喉を締めて筋肉痛のような痛みがある場合は、メンソレータムのゲルを使って首をマッサージしクールダウンさせることも効果的です。
2. 1日3ℓの水分補給
ボーカルインジャリーと言われる喉の故障(声帯結節、声帯ポリープ、声帯炎など)の80%は、Dehydration、脱水、乾燥が原因だと報告されています。
体内の水分が不足するともちろん喉にも影響が及びます。なぜなら、体は口から摂取した水分を消化器官などの内臓へ先に送り、声帯の保湿に回される水分は一番最後だと言われています。
私の周りのスーパーモデルやプロスポーツ選手に一流のパーソナルトレーナー達が口を揃えて言うのは、1日3Lの水を飲むこと。私はダイエットと健康も兼ねて、一日3L飲んでますが、1日最低2Lでも1.5Lでも飲むことができれば合格としています◎
(特にライブ前やステージ前に緊張してお腹を壊しやすい人にもオススメです。
私は過敏性腸炎の症状がかなり改善されました)
ネブライザーで保湿ケア
また、喉に疾患がある場合は、ネブライザーを使って積極的に保湿しましょう。発声の基礎が整うとこういうものは全く必要なくなるのですが、私もLAのボイストレーナーにオススメしてもらった携帯に便利なネブライザーを念のために用意しています。
みずみずしい声帯を保ち艶のある声を手に入れる。特にベルティングボイスやミックスボイスは声帯をのコンディションがもろに出る発声なので水分補給を欠かさずに潤わしておきましょう。
3. ウォーミングアップとクールダウンエクササイズ
運動の前の準備体操はパフォーマンス力を上げるだけでなく怪我の防止にもなるように、歌唱前も必ずリップトリルやスケール練習などのウォーミングアップで歌唱準備を整えましょう。
発声の基礎作りができていないうちは、急に高音を歌うことは喉を痛める原因にもなります。
クールダウンエクササイズ
また、プロのアスリートも運動後に入念なストレッチを行うように、コンサートやライブ、日々の練習で声が枯れたり、喉を酷使した後は、クールダウンエクササイズを丁寧に行いましょう。
ツアーを回ったりコンサートを行うプロの方は、歌い終わった30分以内に、必ずクールダウンエクササイズを行うことで翌日の発声に大きな違いが表れます。
私がおすすめする一番簡単方法は、Gi(ギ)やWi(ウィ)を使い、無理のない裏声で、高音から低音まで降りてくる練習がおすすめ。イの母音は声帯をストレッチさせ、炎症を和らげる効果があります。
4. 週5日のトレーニングと2日の休息
たとえ30秒のリップトリルでさえ、毎日続けることで、喉は鍛えられます。
(「鍛える」というのは声を出すことへの耐久性がつくという意味と、基礎発声の構築に必要な筋力を上げるという両方を意味します)そして正しいリップトリルは張り上げ喉締めをしなくても高い声は楽に出るという心理面への作用にも大きな効果があります。
実際に声を大きく出してベルティング習得など、喉を酷使する練習を続ける場合は、必ず休息日を作りましょう。(ワンボイスマスターコース生は必ず)
REBELTINGがオススメするトレーニングメニューは、厳密に言えば、週5日はトレーニングを行い、2日は喉を休ませること。休息日を作り、筋肉や組織の回復に当てることで声帯閉鎖に必要な筋力が上がり喉のポジション作りも加速します。
また、正しいスケール練習を行って効率的に上達するには、「響き」を追求しましょう。正しい響きが作れるのは、喉のポジションも正しく作られている証拠。質の高いお手本を徹底的に真似することで健康的な喉のポジションが作られ、喉を痛めることが激減します。
発声の基礎を徹底的に固めることは、長期的に見て効果の高い喉のケアになります。
5. 喉のストレッチでリラックス
こちらロサンゼルスでも、たくさんのセレブや有名歌手がワークアウトを行なっています。中でも呼吸と体の動き、精神を統合するヨガは歌手に人気です。
ベルティングやミックスボイスを習得するために、ワークアウトや筋トレは特別必要ありません。
ただ、小さく凝り固まった肩や胸を大きく開くことは、体も心も伸び伸びと声を出せる準備にもなり、歌唱に大切なマインド面に大きく作用します。
私はLAでヨガティーチャーのトレーニングを終えていますが、私がよく実践する「胸と喉を大きく開けるストレッチ」を紹介します。
1枚目の写真は「Baby Back Bend」と言われるヨガのポーズ。立ったままいつでも気軽にできるのがオススメポイントです。
上級編ですが、このラクダのポーズも胸と喉が大きく開きます。(写真)
体が硬い方:両手を腰にあてて、首をそらして上を向くだけでも十分喉が開く効果的なストレッチです。
ウォーミングアップ前や歌った後、張り上げる癖や顎の力が抜けない時の気分転換にもどうぞ。
6. 寝る!
徹夜した次の日、声がガラガラ〜なんて経験ありませんか?
そう、喉のケアに睡眠は欠かせません。調子が悪いなと思ったら水をたくさん飲んでとにかく寝ましょう。寝不足や疲労は喉にもろに出ます。正直、睡眠が喉のケアに一番効果的です。
7. 嘘をつかない。人生を楽しむ!
声を作り出す「喉」という器官は ”自己表現” を司る場所です。
「あの人みたいに歌いたい!」と喉に負担をかけて無理に自分の声をねじ曲げることもしかり、日常でも嘘をつくこと、本心を偽って無理をすること、やりたくない事に「いいよ!」と言う時や緊張している時など、無意識にグッと喉に力が入ります。
ストレスを溜め込むと気力が減り、やがて声を出すことさえ億劫になってしまいます。
思いっきり笑って、泣いて、嬉しくて叫んで、とにかくありのままの人生を楽しむ!
あなたの喉は、あなたの声を生み出す世界でひとつの器官です。自分の本当の声を受け入れて、自分だけの歌声を楽しみましょう。
喉のケアまとめ
- 冷えから守る
- 1日3Lの水分補給
- ウォームアップとクールダウンエクササイズ
- トレーニングと休息日
- 喉のストレッチでリラックス
- 寝る!
- 嘘をつかない、人生を楽しむ
いかかでしたか?皆さんはいくつ実践できていますか?
誰も代われない、ただ一つのあなたの喉。不調が出る前に日頃からしっかりケアしてあげましょう!
ただし、1つ例外があって、ベルティングで発声の基礎を整え、歌声をマスターすると、今日紹介したような特別なケアは一切必要なくなります。
発声の基礎構築「リベルティングとは?」をぜひ読んでみてください
https://rebelting.com/about/
2020年追記
REBELTING
Chico